労災保険特別加入

労災保険とは

仕事や通勤(移動)が原因でケガをした場合、または病気にかかった場合や、亡くなられてしまった場合に、ご本人や家族を守るために給付が行われる国の保険です。
会社員、アルバイトなど雇用されている方々は雇用形態を問わず事業主に加入義務があり、全員が保険対象者として守られています。一方、フリー(雇用されていない)で活動する実演家・スタッフは「個人事業主」となり、労災保険における労働者には該当しません。
国が行う保険であり、民間保険に比べ安価な保険料で手厚い補償となっています。

労災保険で受けられるおもな給付一覧

療養補償給付
無料で治療が受けられ、薬代もかかりません。
休業補償給付
休業を余儀なくされた場合、休業から4日目以降、給付金が給付されます。
障害補償給付
障害が残った場合、年金か一時金が給付されます。
介護補償給付
介護を受けている場合、その費用が給付されます。
遺族補償給付
亡くなられた場合、遺族の方に年金か一時金が給付されます。また、葬祭料等の給付もあります。

労災保険特別加入とは

労働者(雇用されている人)以外でも、業務内容や、災害リスクからみて、労働者に準じて保護することがふさわしいと見なされる人に、一定の要件の下に労災保険に特別に加入することを認めている制度です。2021年4月より、実演家・スタッフなどの「芸能関係作業従事者」も特別加入できるようになりました。

身体的な表現を行う実演家や、危険な場所での作業も多いスタッフは、現場でケガ等をするリスクが高い上に、万が一、身体が思うように動かせなくなったら、その活動を続けられなくなってしまいます。身体が資本の実演芸術活動を長く続けていくために、労災保険特別加入の仕組みを活用して、万が一に備えていただきたいと思います。

日本実演芸術福祉財団の
取り組み

当財団は、実演芸術分野の事業者・興行主(発注側)と、実演家・スタッフ(受注者側)の団体とがタッグを組み、業界全体で、就労環境を改善するために誕生した団体です。
設立後の最初の取り組みとして、加入の進んでいない現状にある、実演家・スタッフの労災保険特別加入の促進活動に着手いたします。
労働者の場合は、事業者(雇用主)に加入と保険料を負担する義務がありますが、特別加入の場合は任意加入で、保険料は加入者自身の全額負担となります。また、国の機関へ直接申込みすることはできず、“特別加入団体”を通じて申請する必要があり、保険料に加えて特別加入団体に支払う手数料等の負担も生じます。
当財団では、業界内外からのご支援によって、労災保険特別加入手続きの簡便化を図り、加入者本人の金銭的負担を軽減するという業界初の取り組みを行います。
当財団の活動に賛同いただいた皆様からのご支援を、実演家・スタッフの労災保険特別加入手数料の引き下げに直接つなげます。

2025年10月に「(一財)日本実演芸術福祉財団 労災保険センター」を立ち上げ、財団発起人団体および創設賛同団体並びにその傘下の団体を経由した労災保険特別加入を先行して受け付けします。対象になる方には、団体を通して、所属・加盟員の方々にご案内をしています。
なお、団体を経由しない個人の加入は、2025年12月以降に受付開始の予定です。

また、補償だけでなく、仕事中のケガや病気を防ぐことも大切です。当財団では、公演制作現場の事故防止に長年取り組んできた「劇場等演出空間運用基準協議会(基準協)」と連携し、労災保険特別加入者向けに、無料の研修や勉強会などを開催していきます。

皆様にとって実演芸術の場が、安心安全な「仕事場」となるよう努めてまいります。

ご加入をご検討中の方は、
以下サイトをご確認ください。

(一財)日本実演芸術福祉財団
労災保険センター